五のことづて

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

"五穀×発酵×和のしきたり"をコンセプトに誕生した五穀屋。
「五のことづて」では、五穀屋が大切にしている五穀や発酵の素材についても、発信して参ります。

来月10月1日は「醤油の日」。
これは「醤」の文字に、十二支で10月を表す「酉」の字が含まれることからなのだそうです。

今回は醤油の日を前に、醤油の歴史と、基本の5種類の醤油についてをお伝えいたします。

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発酵食の調味料としてひとつあげるとしたら、
まず最初に、「醤油」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」



「醤油」は、発酵食として日本の食卓に欠かせない調味料。

醤油のはじまりには諸説ありますが、古くは紀元前の中国まで遡るほど歴史があります。
現在では、和食に欠かせない調味料として、国内外で使用されています。

醤油の起源は紀元前800年頃。中国で食物を塩で漬けたものを「醤(ひしお)」とよんでいたことが始まりです。
その後、6世紀初頭に醤油に似た製法として、大豆を麹にして発酵・醸造させる手法が確立されました。
日本には飛鳥時代に伝わり、大宝律令(701年)に味噌や醤油の起源「醤」の記載が登場しています。
その後、原料や製法などが異なるものが様々登場し、大豆と小麦から造られる現在の醤油の形になったのは江戸時代。

この頃から関東では濃口醤油、関西では薄口醤油が発展していき、海外への輸出もはじまりました。
現在、英語で大豆を示す、soy(ソイ)は醤油が語源であるとする説もあり、海外に影響を与えた魅力的な調味料であることが伺えます。

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

▲ 五穀屋のお菓子にも使われている、濃口醤油「こころ」


濃口醤油と薄口醤油は、関東・関西で発展していきましたが、その他にも日本各地では独自の風味や味わいを持つ醤油が生まれました。
日本農林規格(JAS規格)では、製造方法・原料の違いによって生まれる色の濃さや塩分濃度などによって、「濃口(こいくち)」「淡口(うすくち)」「白(しろ)」「溜(たまり)」「再仕込(さいしこみ)」の5種類に分類されています。
さらに、品質基準として特級・上級・標準の3等級があり、特級は特選と超特選に分けられます。

以前の記事「企業訪問 -加藤醤油編-」でお伝えした通り、醤油は基本的に「大豆」「小麦」「塩」「水」からできています。
▼ 企業訪問 -加藤醤油編- はこちら
http://gokokuya.jp/blog/detail.php?product_id=473


大豆を蒸し、小麦を煎って砕いたものを混ぜ、種麹を混ぜてできるのが麹で、
麹造りのことを製麹(せいきく)といいます。

このとき、使用される大豆の状態にも種類があり、こちらの写真のように丸い大豆を「丸大豆」、油分を絞った状態のものを「脱脂加工大豆」といいます。

▼ 醤油の原料である丸大豆(上) / 小麦畑(下)

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」



原料の大豆と小麦の割合によって醤油の色が変わり、大豆が多いほど色が濃く風味が強く、小麦が多いほど色が薄くあっさりとした仕上がりになります。


また、塩の濃度も各醤油によって異なります。
醤油職人さんの中には、大豆や小麦の産地はもちろん、使用する塩にもこだわる方もいるのだとか。

最近では健康を意識した減塩タイプの醤油が開発されていますが、実は途中までの製造過程は普通の醤油と同じです。
熟成中に塩分が低すぎると雑菌が繁殖してしまうため、醤油ができあがった後に脱塩処理を行うそうです。
塩分が少ないだけで、旨味も風味もちゃんと残っているんですよ。

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」



ではここで、各々の醤油の特徴について簡単にご説明いたしましょう。

まずは、皆様おなじみの「濃口醤油」。
こちらは最も一般的な醤油で、現在製造されているものの大半、約8割を占めています。
地域にもよりますが、一般的に醤油というとこの濃口醤油のことを指しますね。
材料の割合は、大豆と小麦が半々で、その名の通り色が濃いのが特徴です。

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」



つぎに、「淡口醤油」。
濃口よりも原料の麦を浅く炒ることと、仕込み時に麹の量を少なく、塩水の比率を高くするという違いがあります。
濃口醤油と比べて色が薄いのが特徴ですが、仕込みの際の塩水が多いので、実は塩分濃度は1割ほど高めなのです。比べてみると、たしかに淡口醬油のほうがしょっぱく感じます。だしの風味を生かす料理が好まれる近畿〜関西地域では、醤油自体の香りや色が薄いものが求められ、特に京料理などでよく使われています。

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」



淡口よりもさらに色が薄い「白醤油」は、褐色というよりは、美しい淡い琥珀色をしています。
愛知県碧南市原産で、現在でも愛知県を主産地とするこの醤油は、大豆をほとんど使わず、主に小麦を使用しているためあっさりとした風味が特徴で、全国の料亭などで使用されます。

この白醤油とだしを合わせたものが「白だし」として販売されていますが、ご自分でだしをとって白醤油で味付けすれば、雑味のない美味しいお吸い物をつくることができるのでおすすめです。

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

▲ 白醤油を使ってぜひ作っていただきたい、お吸い物


また、白醤油とは全く逆に、大豆を主に使用したのが「溜醬油」。
大豆から出た旨味やタンパク質が豊富に含まれており、かなり色が濃いとろりとした醤油です。
風味、色ともに濃厚で、刺身やタレなどに使用されることが多いですね。

愛知県武豊町を中心に、東海地方で造られています。
最近では小麦アレルギーの人から人気が急増しており、海外でも需要が高まっているんだとか。

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

▲ 溜醤油の濃厚な旨味はタレにぴったり。愛知ふるさとの味、手羽先はいかがでしょうか。


最後に、「再仕込醤油」。
大豆と小麦の割合は濃口醤油と同様ですが、こちらはなんと、塩水の代わりに醤油を使用しています。
まさに、2倍の手間ひまをかけた逸品。「二段仕込」・「甘露醤油」とも呼ばれます。
全国の醤油出荷量のうちわずか1%しか生産されていない、貴重な醤油です。

醤油の旨味を味わえる、卵かけごはんやうどんにそのままかけて味わっていただきたいですね。

発酵の力で生まれた、和食に欠かせない調味料「醤油」

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以上ご紹介した醤油5種類の分類はJAS規格で定められているため、どの醤油のラベルにも表示されています。

あなたのご家庭では何醤油が使われていますか?
一度、ご家庭の醤油のラベルをご覧になってみてはいかがでしょう。
いろいろな醤油を試して、お好みのブランドや種類をさがしたり、お料理や気分に合わせて醤油を変えて、プロの料理人気分を味わってみても面白いですね。


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いかがでしたか?
じつはまだまだ、醤油の奥深さについては語り尽くせておりません。
また次の機会に、より詳しいお話をする予定です。どうぞお楽しみに。



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