五のことづて

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い

五穀屋で人気の「発酵さしすせそ羊羹 五季」。
春夏秋冬+土用の5つの季節を、5種類の発酵食、発酵のさしすせそ(酒、塩糀、酢、醤油、味噌)で表現した可愛らしい玉羊羹です。

2015年のミラノ万博を皮切りに、イタリアの名門・メディチ家リッカルディ宮殿にて献上され、海外へ日本の魅力を伝えるプロジェクト「The Wonder 500TM」にも選ばれた、国内外から熱いまなざし受ける、五穀屋を代表する和菓子のひとつです。

今回は、あまり知られていない、五季の「箱」へのこだわりをご紹介。
どうぞごゆるりと、おつきあいくださいませ。


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こちらの画像に映っているのが、五季の入っている箱。
蓋には桐を使用しています。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い

桐は湿気を通さず、割れにくいという特徴があり、日本では古来より高級木材として重宝され、箱や家具などに利用されてきました。
かつては「娘が産まれたら桐を植える」という習慣があり、これは娘が嫁ぐときに大きく育った桐を使って箪笥をもたせるためで、娘の将来と健やかな成長を祈る親心のあらわれた習わしでもありました。

また、桐には音響効果を高めるという性質から、琴、琵琶等の楽器にも使用される他、下駄や長持などの身近な道具にも使用されてきました。

桐は古くから利用されてきた日本人になじみのある木材なのです。
五季の箱はそんな桐でできた箱「桐箱」をイメージして作られました。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い

▲ 桐箱は現代でも贈りものや大切なものを保管する箱として利用されています。


上の蓋は桐の板で、下の箱は紙できています。

桐箱そのままではなく、あえて和の要素を抽出して、モダンなアレンジを加えるのが五穀屋流。
日本人の和のかたちに対する認識を、パッケージのエッセンスとして盛り込んで美しく融合させることに意味があるのです。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い

紙でできた箱にも、もちろんこだわりがあります。
箱の下部分をご覧下さい。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い

うっすらと茶色のグラデーションがかかっているのがおわかりいただけるでしょうか?

この単色のグラデーションは、「一文字ぼかし」という、浮世絵によく使用された手法のひとつ。
季節の移ろいや、時間の変化を表現するのに使用されました。


一文字ぼかしの例をみてみましょう。

「東海道五十三次」を代表作とする江戸時代末期の浮世絵師、歌川広重。
彼の作品の中でも後期にあたる、「名所江戸百景」は春・夏・秋・冬の4つの部に分け、江戸の名所を描いた作品です。

名所江戸"百"景とは言っても、実はこちらは120枚揃物。
各季節毎に30枚の浮世絵で構成されています。
今日は、春夏秋冬の各部から1枚ずつご紹介いたしましょう。


まず1枚目は、春の部より「蒲田の梅園」。
この蒲田は、今の東京都大田区蒲田近辺にあたり、当時は梅の木を栽培している農家が多かった地域でした。
五月になると実を採り梅干にして、東海道の旅人や江戸の人々に売っていたそうです。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い



次にご紹介するのは夏の部より、「大はしあたけの夕立」。
皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
こちらの作品は、「ひまわり」で有名な印象派の画家である、ゴッホが模写したことでもよく知られています。

タイトルの「大はし」は、当時隅田川に架けられていた「新大橋」のこと。
対岸に見えるのは幕府の御船蔵で、ここにはかつて御座船安宅丸がけい留されていたので「安宅(あたけ)」と呼ばれていました。
激しく降りだした夕立に、傘やむしろをつけて足早に急ぐ人々の姿が印象的な一枚ですね。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い



そしてこちらが、秋の部「猿わか町よるの景」。

猿若町というのは、今の浅草にある一区画のことで、当時は芝居小屋が軒を連ね大いに賑わっていました。
こちらの作品では、すでに芝居が終わった夜の猿若町で、満月に照らされながら帰り支度をする人々が描かれています。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い



そして最後の1枚は、冬の部「湯しま天神坂上眺望」。

本郷台地の東側の高台に位置する湯島天神は、不忍池(しのばずのいけ)の弁天様を見下ろすことのできる景勝の地として知られていました。
湯島天神は今も残っていますが、現在は高いビルが立ち並び、かつての景色を望むことはできず、社の階段と坂が当時の面影を残しています。

発酵さしすせそ羊羹「五季」のパッケージに込められた季節への思い



いかがでしたか?

あるときは、夕暮れ時の空の色の変化を、
またあるときは、雨が降る空の明暗を、
日々刻々と変わりゆく、季節や天候の変化を様々な「一文字ぼかし」によって表現されているのがおわかりいただけたでしょうか。

春、夏、秋、冬と、その間の5つ目の季節、「土用」を表して名付けられた「五季」の箱に施す意匠として、時の流れを表現する「一文字ぼかし」はまさにうってつけの装い。

プレゼントやお使いものにする際の世間話に、この一文字ぼかしのお話をしてみてはいかがでしょうか。


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今回は、五季の箱に秘められた、五穀屋のこだわりをお伝えいたしました。

このようにパッケージひとつにも、「和の素材」や「季節への感性」など、日本のこころを大切にする五穀屋のこだわりがたくさん詰まっています。
他の商品についてはまた次の機会にお伝えしてまいりますので、どうぞお楽しみに。



▼今回ご紹介した商品はこちら▼

「発酵さしすせそ羊羹 五季」
 単品    324円(税込)
 5個入り   1,620円(税込)
 15個入り 4,860円(税込)
 オンラインショップはこちら
 ※一文字ぼかしの意匠は、5個入り・15個入りの箱のみとなります。