五のことづて

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

五穀屋で人気の「発酵さしすせそ羊羹 五季」は、5種類の発酵食、発酵のさしすせそ(酒、塩糀、酢、醤油、味噌)で、春夏秋冬+土用の5つの季節を表現した玉羊羹。

今回は、五季の開発秘話をご紹介。
五季に秘められた、和菓子職人のこだわりの数々をお伝えして参ります。


こちらが五季、お味は5種類、向かって左から「酒」「抹茶塩糀」「りんご酢」「白味噌」「醤油糀」。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

実は最初は、今の玉羊羹の形ではなく普通の四角い羊羹を開発しようとしていました。しかし、和菓子職人のひらめきにより「かわいらしくて、上品でいて、かつ面白さのある形の羊羹」として、丸い羊羹「玉羊羹」が注目されました。

玉羊羹は、1930年代に生まれた意外に歴史のある和菓子。
ゴム製の風船を容器として売られる球状になった羊羹で「風船羊羹」や「ボンボン羊羹」といった別名もあります。
日中戦争のさなか戦場の兵士に送る慰問袋用の和菓子として、日本陸軍からの開発指示によって生まれたものなんです。普通の玉羊羹はひとつのお味の羊羹を複数個詰め合わせたものが大半ですが、五穀屋では「発酵のさしすせそ」にちなみ、酒、塩糀、酢、醤油、味噌を使った5種類の味づくりに挑戦しました。

さらに、
「せっかく5つの発酵食をつかってお菓子をつくるのだから、5種の玉羊羹、味も見た目もそれぞれに個性的なものにしたい。」
何と、5種のうち3種を羊羹、2種を錦玉羹(きんぎょくかん)にすることに。

羊羹の「羹」は「あつもの」という意味で、動物を煮て作った吸い物を意味し、羊羹は動物の肉に模して小豆を使ったものがはじまりだそうです。
羊羹は小豆を寒天で固めたものですが、おなじ“羹”が付く「錦玉羹」は、小豆は入れずに寒天を煮溶かし砂糖や水あめを加えて煮詰めて固めたもの。羊羹とは少し違いますが、寒天で固めたお菓子であることが共通しており、透き通った美しい風情が夏の上生菓子として親しまれています。

五季5種類の中では、「抹茶塩糀」「醤油糀」「白味噌」は羊羹、「酒」「りんご酢」は錦玉羹。
それぞれの発酵食の素材のイメージがそのまま羊羹の見た目になっているんですよ。
そして5種それぞれのお味には、和菓子職人のこだわりがたくさん詰まっています。


まずは透き通ってキラキラと輝く錦玉羹「酒」。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

酒の種類はやはり、五穀の代表”米”からできた和の酒、「日本酒」と決めていました。
はじめに試されたのが、口当たり柔らかく芳醇な「大吟醸」。

しかし、寒天を入れて温め、固める段階で、アルコールが入っていることによって固まり方が水の時と異なり、苦戦を強いられました。
さらに、温めたことでアルコールも香りも飛んでしまう上、大吟醸のもともとの甘さが砂糖と合わさり、甘すぎる仕上がりになってしまいました。

そこで、和菓子職人が求めたのは「良い水で仕込まれた、香りとキレのある日本酒」。
全国10種の日本酒を取り寄せて選ばれたのは、富士山の湧き水で仕込まれたキレのある超辛口日本酒「げんこつ」でした。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

辛口であるからこそ、甘さが控えめな仕上がりになる上、辛口特有の香りと味がしっかりと残るので、酒の量を調整し、最適な固さにすることができました。
こうして、理想の錦玉羹「酒」ができあがったのです。


そして次にご紹介するのは、こちらの深い緑色の羊羹「抹茶塩糀」。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

塩糀は、料理に使うと旨みがプラスされると話題になった調味料。
和菓子に使うと塩味のカドが取れてうまみが入り、全体がやわらかい味に。

通常の塩糀はつぶつぶとした米の粒が入っているものが多いのですが、羊羹の口当たりをよりなめらかに仕上げるために、濾したものを使用しました。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

さらに、ただの塩糀羊羹ではつまらないと考えた職人は、ここでてんぷらなどにつけて食べる「抹茶塩」に注目。

塩と相性のよい抹茶を入れることで、塩味と甘味にさらに苦味を加えることにより、味に深みのある塩糀を使った抹茶羊羹に仕上げたのです。
五穀屋ならではの旨味たっぷりの羊羹は、温かい緑茶にもよく合う一品ですよ。


お次はこちら、鮮やかな赤い錦玉羹「りんご酢」をご紹介。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

実は、酢をお菓子に使うのは至難の業。どうしても酸っぱくなりすぎてしまい、酢独特の香りも味の調和を邪魔します。
しかし、「発酵のさしすせそはどうしても揃えたい。」と考え、和菓子に使える口あたりのよい酢はないものかと、米酢からフルーツ酢まで様々な種類の酢が試されました。
そして、試行錯誤の末に選ばれたのが「りんご酢」だったのです。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

りんご酢特有のフルーティな香りと、スッキリとした後味は、シンプルな錦玉羹の味にマッチして爽やかな仕上がりに。りんごをイメージした朱赤の錦玉羹は、まるでそれ自体が宝玉のようにきらめきます。
この見た目の美しさも、重要なポイントなんですよ。


次にこちらの「醤油糀」。
よくある羊羹にみえますが、抹茶塩糀の羊羹とおなじく醤油糀を練り込んだ一品。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

こちら、最初は醤油糀ではなく醤油入りの羊羹を試作していました。
こし餡にもこだわり、自家製の餡を使用して、醤油の味も餡の味もどちらも引き立った理想の配合を探しましたが、醤油を使うとどうしても醤油の味が勝ちすぎてしまい、こし餡の風味が消えてしまいます。
そこで、「塩糀と同じようにしてつくる醤油糀なら、よりまろやかな仕上がりになるのでは」と考え、「醤油糀」を使うことに。
何種類もの醤油糀から厳選して試すこと数回、羊羹のなめらかな甘みに、醤油糀の旨みが合わさり、思った通りよりまろやかな仕上がりになりました。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

さらにこの醤油糀、抹茶塩糀に使用した濾された塩糀と異なり、あえて糀のつぶつぶがしっかりと残ったものを使用。知らない方が意外と多いのですが、実は羊羹を二つに切ると、その断面に糀のつぶつぶを見ることができるんです。
まだ食べたことのない方は、ぜひお試しくださいね。


最後にご紹介するのは、ほんわりとした色味がやさしい「白味噌」。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

こし餡、抹茶の羊羹ときたら、白餡の羊羹も気になりますよね。
この白餡も、こし餡と同じく自家製餡。北海道産の白手亡豆(しろてぼうまめ)を使用した、五穀屋自慢の上品な甘味が特徴の餡。
白餡に合わせる味噌にはやはり、いろいろな味噌が試されましたが、最終的に京都の「白味噌」が選ばれました。
ただ単に"白"が付くからというわけではなく、美味しい組み合わせがたまたま白味噌×白餡だったんです。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

普通の味噌や一般的な白味噌では、風味を感じられるほどの量を入れるとしょっぱくなりすぎてしまいます。
そこで、白味噌の中でも特に甘みが強いものを選び、香りを感じる程度に味噌を入れても、しょっぱくならないように味のバランスが整えられたのです。

こうして出来上がった5種の玉羊羹はそれぞれ個性的な味に加え、その見た目が「春夏秋冬+土用」の五つの季節を表すようだとして「五季」という名前が付けられたのです。

和菓子職人が味と素材にこだわった、発酵さしすせそ羊羹「五季」

いかがでしたか?
今回は人気の玉羊羹「五季」の開発秘話をご紹介いたしました。
今後も五季に限らず、五穀屋のお菓子についてご紹介して参ります。
どうぞ、お楽しみに。


▼ 今回ご紹介した商品 ▼

「発酵さしすせそ羊羹 五季」
 単品    324円(税込)
 5個入り   1,620円(税込)
 15個入り 4,860円(税込)
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