五のことづて

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

青葉越しに見える空が、緑を通していっそういきいきと見える季節となりました。
皆様いかがお過ごしですか?

今回は、五穀屋でも栽培している「キビ」に注目。
普段は触れることの少ない、「五穀」の知恵を学んでみましょう。

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

▲ 昨年五穀屋で育てたキビの穂。穂のかたちは粟と異なり、箒状になります。

キビは中央〜東アジア温帯地域を原産の、イネ科・キビ亜科・キビ族・キビ属に分類される、1年生作物。
熟した穂は垂れ下がり、粒はアワよりもすこし大きめです。

日本にはイネ・アワ・ヒエよりも遅れて伝来しました。
しかしその歴史は古く、弥生時代の初頭にはすでにキビが渡来したと考えられています。

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

▲ 脱穀したばかりの精白前のキビ

名前の由来はその実の色からで、古代人は実の色を素直に表現して、黄実(きみ)=黍(きみ)と呼んでいました。
実際は黄色以外にも、白や褐色の実をつける種類もありますが、古代の日本人にとっては黄色のキビが一般的だったようです。

日本最古の和歌集「万葉集」にも、キビの記述がみられ、
「梨(なし)棗(なつめ)黍(きみ)に粟(あわ)つぎ這う葛(くず)の後もあわむと葵花咲く」
という歌もあります。

他にも、皆様もご存知の昔話「桃太郎」に「きびだんご」が登場することからも、キビが日本人にとって馴染みの深い作物であったことが伺えます。


キビは米と同様「もち種」と「うるち種」があります。
現在、日本で栽培されている品種のほとんどはもち種で、伝統的なハレ食の餅や団子に加工する目的で食べられています。
一方、ヨーロッパや中央アジアなどの地域ではうるち種が多く栽培され、現地の料理に使われるようです。


食味がよく、米以外の穀物の中で抜群に美味しいと言われている「キビ」。
今回は、そんな美味しいキビをご自宅で楽しむ方法をお伝えしましょう。


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こちらが市販されている「モチキビ」です。

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

昨今の健康ブームのためか、最近では一部のスーパーマーケットでも取り扱われるようになり、手に入りやすくなりました。
一度にたくさんのキビを調理したり、お米に混ぜて炊くのであれば、炊飯器で調理できます。
今回は少量のキビを調理したいので、必要な分だけ茹でることにしました。

まずは、キビを1〜2回水洗いし、目立つゴミがあれば取り除きます。
キビは米と比べて粒が小さく軽いため、編み目の細かいザルや茶こしなどがないと流れていってしまうので注意しましょう。

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

洗ってから水を切った状態がこちら。
大きなゴミが取り除かれ、きれいになりました。


次に、沸騰したお湯を用意しその中にキビを入れます。
このとき、調理時間によって仕上がりの固さが変わります。

今回は8分茹でましたが、2~3分前後しても良いでしょう。
ぜひ、ご自分のお好みの固さに調節してみてください。

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

茹で上がったキビは、目の細かいザルで水を切ります。
ふっくらと2倍程度にふくらみ、もちもちとやわらかい状態になりました。

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

茹でたキビはそのままご飯のかわりに食べるだけでなく、料理の材料としても使うことができます。

五穀-いつくさのたなつもの- ③キビ

お好みのドレッシングと混ぜて、サラダにあえることで手軽に楽しめるんです。

市販のドレッシングでもよいですが、今回はわさび醤油とサラダ油・酢で簡単に「わさび醤油ドレッシング」を作りました。
ドレッシングと茹でたキビをよく混ぜてから野菜にあえると、全体にキビと味付けが行き渡ります。
キビのプチプチとした食感をより楽しめるので、オススメです。

ぜひ一度お試しください。


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いかがでしたか?
今回は五穀のひとつ「キビ」についてご紹介いたしました。

古代では日本人の身近な存在だった「キビ」。
皆さんも日常に取り入れて、昔の日本人の生活に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?