五のことづて

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

五穀屋では「五穀の里水窪」にて古くから伝わる在来種の「ネコアシアワ」を栽培しています。

「在来種」というのは「ある地方の風土に適し、その地方で長年栽培または飼育されている」作物で、その土地の農家の人達が連綿と受け継いできた品種のことです。残念ながら最近では、農業の効率化・市販の作物への転換という理由だけでなく、風にのってきた花粉によって外来の系統と交配してしまうこともあり、減少の一途をたどっています。

そんな中水窪では、アワ以外にも在来種の作物がいくつか報告されています。
外界からの影響を受けにくい、山深い地域である水窪は、作物の保存に適した土地だったためでしょう。

特に水窪で注目されている在来種に「水窪じゃがた」があります。
「じゃがた」というのは水窪の方言の「ジャガイモ」のことで、水窪じゃがたは昔からこの地域で育てられてきた品種として、地元の人々に愛されているのだそうです。

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

▲ 水窪じゃがたの串焼き。味噌ダレをたっぷりと付けて焼かれます。

通常のジャガイモよりも小ぶりですが、凝縮されたうま味が特徴です。
皮は薄く、ほっくりとした中にもみずみずしさのある食感は、一度食べるとやみつきになる美味しさなんですよ。

水窪では毎年夏に「水窪じゃがた」のイベントとして「じゃがた祭り」が開催されています。
このお祭りは「“食”をテーマにして地元のPRをしたい!」と、水窪のNPO法人である「こいねみさくぼ」が2014年から新しく始めたもので、今年は2017年7月9日に開催されました。

ここからは今年の「じゃがた祭り」の様子をご紹介いたしましょう。

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お祭りのメインは水窪じゃがたを使った様々な郷土料理が楽しめる屋台。

甘じょっぱい味噌ダレがじゃがたの旨みを引き立たせる「じゃがたの串焼き」、ホクホクとしたじゃがたがたくさん入った「カレー」、水窪で狩猟された鹿肉入りの「ジビエコロッケ」など、水窪じゃがたを使った料理の屋台がずらりと並び、参加者の舌を楽しませます。

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

さらにじゃがた料理以外にも、水窪のならではの味が楽しめる屋台もあります。

じゃがた料理に次いで多いのは「五平餅」の屋台。
五平餅は、長野・山梨・岐阜・静岡など中部地方南部の山間部に伝わる郷土料理です。

水窪もその地域に含まれており、五平餅を食べる習慣があるようですね。
旅行でこの地方を訪れたことのある方は、召し上がったことがあるのではないでしょうか?

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

こちらはアワ栽培でいつもお世話になっている石本さんのお店の五平餅。
私達が育てているものと同じ水窪の在来種「ネコアシアワ」が入った、まさに水窪でしか食べられない特別な五平餅です。

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

つぶつぶとしたアワの食感が際立つ焼きたての五平餅に、味噌の旨みが凝縮されたタレがたっぷりとかかった味わい深い一品です。


屋台の料理を食べて一息ついたところで、周りを見渡すと、水窪の商店街添いに並ぶ屋台にまじって、足湯ならぬ「足水」が用意されています。子供達がこぞって集まり涼をとっていて、遠くからお祭りに参加した子も、地元の子も一緒になって楽しんでいる様子が印象的でした。

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

山深い水窪の地に伝わる“水窪じゃがた”のイベント「水窪じゃがた祭り」

いかがでしたか?

今回は水窪で開催されている「じゃがた祭り」についてお伝えいたしました。
じゃがた祭りに参加し、様々な水窪の食を味わうため屋台を巡っていると、気さくな水窪の方々に迎え入れられて、自分も水窪の住人になったかのように思う瞬間が何度もありました。そして何より、水窪の人々の温かい家族のような絆を、会話の端々に感じることができました。

山々に抱かれた「水窪」という土地は、在来種の作物だけではなく、協力して生活しなければ日々のくらしを生きて行けなかった時代に培われた「人と人との絆」そのものを現代に受け継いでいるのかもしれません。

今年のお祭りはもう終わってしまいましたが、ご興味のある方はぜひ来年のじゃがた祭りに参加されてみてはいかがでしょうか?