五のことづて

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)

皆様、こんにちは。

2018年9月3日に、標高1,100mの水窪 家老平で『水窪五穀ファーム&ダイニング 2018』を開催いたしました。

当日のダイジェストムービーができあがりましたので、
写真や文章だけではお伝えしきれないイベントの様子をご覧くださいませ。



▼詳細をご覧になりたい方は前編も
http://gokokuya.jp/blog/detail.php?product_id=819

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それでは、前編に引き続き、水窪五穀ファーム&ダイニング 2018がどういう事業だったのか、ご報告いたします。

17:00の開宴から日が暮れてくると、ひんやりとした空気とともに霧が立ち込めてまいりました。
暖かい光で照らされたダイニングエリアを囲うように霧がかり、標高1,100mの家老平ならではの幻想的な空間に。

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)

さて、前編をご覧になった方々が気になっているであろう、「ニの穀」をお楽しみいただいた後に突然流れてきた音色の正体は…

うなぎパイ職人を中心に、春華堂メンバで構成された『和太鼓チーム 以心伝心』。

ライトアップされて全員が浮かび上がると、リズムが転調して鐘や笛の音が加り、家老平の夜に複雑な音色が響き渡ります。
ゲストの皆様は、体全体に響く音に引き寄せられて、ステージ近くでじっと見続けるほど引き込まれているご様子。
この演出を知っていた私ですら「この人たち、かっこいいい」と思わず見惚れてしまうほどの約4分間。

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)

ドンッという最後の音の後に一瞬の静寂が流れ、ゲストの拍手に変わります。
太鼓の生の音色を屋外で聞く機会は少ないかと思いますが、音が空に吸い込まれていく気持ちよさを感じる演出となりました。


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体に響く太鼓の音色で少しリフレッシュしたら、
一木さんが五穀の「五」にこだわった“三の穀【穫】水窪家老平の五穀畑 ”をお召し上がりいただきます。

お椀の蓋を開けると、素材一つひとつが水窪を表現しています。

土の恵みを受けて育った水窪じゃがた(じゃがいも)の揚げ物は、水窪の土。
ちなみに、このじゃがたも水窪在来種で、小ぶりなのが特徴。地元の人達は、お味噌を絡めて食べることが多いそうですよ。

▶ NPO法人こいねみさくぼ 主催の「じゃがた祭り」とは
http://gokokuya.jp/blog/detail.php?product_id=704

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お魚は、水窪で採れたあまごの一夜干し。川の恵みを表現しています。
なんとその衣には、五種類の穀物(水窪アワ・赤米・もち麦・水窪小キビ・五穀屋 山むすび)を使用。
細かく砕いて揚げることでサクサクの食感を生み出します。

自然と人、水窪と周りの土地、人と人を結んでくれるのが、上に飾られた“結び人参”。
想いを込めながら、一つ一つ結んでいくのです。

さらに、我々の五穀栽培の師匠 石本さんのお宅で育った香り高い柚子も添えて。

最後に、水窪の五穀豊穣を祈って蓋をして、水窪の湧き水を吹きかけて清めます。
細部にまで水窪への想いを込めた暖かい一品。

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この頃にはダイニング会場にひんやりとした霧と山風が流れてきたので、水窪の湧き水でとった温かいお出汁でお皆様はほっこりした表情。
一木さんの熱いこだわりが美味しいお料理と一緒に染み込んでいくようです。


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続いては、米澤シェフが作る五穀コースのメインディッシュです。

四の穀【炎】 軍鶏のルーロ、五穀と黒トリュフの出会い、水窪昔キビのピュレとローズマリー


さて、こちらのご紹介をする前に、メニュー名に【】があったことにお気付きでしょうか。
漢字一文字ですが、それぞれに想いを込めております。

八寸 【種】: 今宵の宴に美しい笑顔の花が咲くように、一品目でゲストの心に種を
一の穀【風】: きゅうりとパイナップルのガスパチョが運んでくる爽やかさを
ニの穀【音】: マスの皮に見立てたパリパリの水窪アワを耳でも楽しんでいただきたくて
三の穀【穫】: ダイニングの畑で収穫した昔キビを存分に味わっていただけるように


そして、メインディッシュの四の穀に【炎】とつけたのは…


ゲストの目の前で、【炎】で仕上げるから。

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)

テント外に設置した“炙り台”で藁を燃やし、香り付けと最後の仕上げをしていきます。
ぶっつけ本番だったので、予想以上の炎が立ち上がりましたが、そのおかげで料理も美味しく仕上がって、ゲストの皆様にもお楽しみいただけました。
米澤シェフの絶妙な焼き加減に皆様くぎづけ。


そうして仕上げた軍鶏は、「三の穀」でも使った昔キビをの上に盛り付けます。

この昔キビは、今年猛暑だったため生育が想定よりも早く、ダイニング当日前にベストな収穫日を迎えたため、事前に全て収穫をいたしました。
初めての試みだったため、少し小ぶりではありますが、100本近く収穫できました。

この昔キビは水分・糖度が少ないため、地元の人は乾燥させて粉にしてきびだんごにして食べているようです。
NPO法人山に生きる会の方が、戦後や不作の年は保存食としてお腹を満たすのにとても重宝したのだと、しみじみと語ってくださいました。

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)

最後は、トリュフをふんだんに盛り付けて、とても贅沢なメインディッシュのできあがり。
標高1,100mのこの地で、この夜しか食べることができない逸品です。

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五穀のコースは、お客様にご満足いただけたようで、満開の笑顔が咲いていました。
これが何よりうれしい私です。

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ただ、菓子屋 五穀屋として、これだけでは終わりません。
もちろん水窪アワを使った和菓子を和菓子職人の実演付きで召し上がっていただきます。

振る舞うのは、菓子【空】一夜限りの水窪 天地の恵み。

水窪を流れる川をイメージした型に入れるのは、水窪の夜空 紫色の錦玉羹。
栗きんとんも中に入れて、食感の違いをお楽しみいただきます。つるんとほっこり。
その和菓子の上には、星に見立てた水窪アワと金箔をあしらって仕上げます。

当日は霧が深くて満点の星空はご覧いただけなかったのですが、実は家老平は日本有数の星空観察地なんです。
ぜひみなさまも、夜道の運転に気を付けながら家老平に足を運んでみてくださいね。

そんな家老平で作る和菓子は、一見簡単そうに見えますが、とても繊細な作業。
和菓子に込められた想いやこだわりの製法をお伝えしながら一つ一つ作り上げます。

ゲストの皆様も興味津々でご覧くださいました。
そこには米澤シェフが仕上げた、地元浜松市浜北で栽培している”浜北マンゴー”を使ったマンゴーゼリーを添えて。

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)

こうして、一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング 2018』は、ゲストの笑顔をもって閉宴です。

水窪の地元の方を始め、東京や京都から足をお運びいただいたゲストの皆様、本当にありがとうございました。
お帰り際に「ありがとう」「素晴らしかったよ」とお声を頂戴できた時は、出そうになる涙を止めるので精一杯でした。


今回は全てが初めての取り組み。正直に申し上げて、分からないことばかりでした…。
五穀は本当に育つのか、台風被害が出てしまった、水が出ない、電気が通らないかもしれない、などなど。
予想を上回るほどの様々なことを、水窪五穀実行委員会の皆様の助けで乗り越えることができました。
誰一人として欠けていたらなし得なかった事業です。

そして何より、初めての土地ですくすくと育ってくれた水窪アワと昔キビに、心からの感謝です。
これから収穫をして、美味しいお菓子や料理になったり、来年の種になったりと、まだまだ活躍しますよ。
五穀屋の秋の定番 あわ餅「みさくぼ」も販売予定ですので、どうぞお楽しみに。



今回はこのような成果が出ましたが、
次の『水窪五穀ファーム&ダイニング』がどうなっていくのか、水窪五穀の魅力をどうお伝えしていこうかと妄想中。
このブログをご覧いただいている皆様にも驚いていただけるような、素敵なものにしたいと思っております。

そして、こうしてお伝えしていくことで、少しでも水窪に興味を持って足を運んでくださる方がいたら嬉しいです。
これからも水窪や五穀の魅力をここで綴っていこうと思います。
どうぞ、ごゆるりとお付き合いくださいませ。

一夜限りの『水窪五穀ファーム&ダイニング2018』を開催いたしました(後編)