「風呂敷」は訪問先で解いて、
品物だけをお渡しするのが正式なマナー。
もともと風呂敷は、贈り物が汚れないように包む、
「ホコリよけ」のため、そのままお渡しするのは失礼に値するのです。
これは紙袋の場合も同様ですので、お渡しの際はご注意くださいね。
取り出した後は、
風呂敷はきれいにたたんで下座側に置き、
贈り物を両手で90度ずつ、2回に分けて回転させ、
相手の方に対して正面を向くようにし、差し出します。
この際、一言、
「つまらないものですが」
「お気に召すと嬉しいのですが」
「心ばかりですが」
などの一言を添えましょう。
食品であれば、「お口に合うかどうかわかりませんが」というのも良いですね。
手土産の渡し方ひとつにも、贈り手の“こころ”が表れるものです。
お中元・お歳暮、取引先へのごあいさつなど、
正式な場でのマナーとして、実践してみてはいかがでしょうか?
さて、
風呂敷の、”進物を包む”という「ホコリよけ」の役割についてご説明いたしましたが、
昨今では、「バッグ」「ティッシュ箱」「ギフトラッピング」「テーブルクロス」など、
様々な包み方、用途が見いだされています。
色・柄・大きさ・素材も様々で、
目的別に合わせて、最適なものを選ぶのも面白いですね。
こちらは、現在五穀屋の店舗で期間限定販売している、
京都の風呂敷ブランド「むす美」の『こはれ』シリーズ、
夏の新作「ねこととり」。
可愛らしく遊ぶ猫と鳥が、
明るく爽やかな色使いで表現されているのが印象的ですね。
進物を包む用途だけでなく、日常の小さなお祝いごとや、
ちょっとしたプレゼントのギフトラッピングにも向いています。
サイズは70×70cm(二巾)。
菓子折りを包むのに丁度よく、ミニバッグにも出来る、風呂敷初心者の方におすすめのサイズです。
また、四角いものだけでなく、
ワインやお酒などのビンも包むことができます。
こちらは、五穀屋の「糀の甘酒-吟醸麹-」。
同じ、70×70cmサイズの風呂敷で包んでみると、
このようになります。
取手もついているので、運ぶ際も持ちやすいのが良いですね。
風呂敷に包んだ状態でお渡しすることは、正式な訪問時の贈り物にはNGですが、
親しい方へのギフトやプレゼントには、日常小物に再利用可能なエコラッピングとして喜ばれます。
ギフトラッピングとして風呂敷を使われる方は、
ぜひ、贈る相手に合わせて柄やサイズにこだわってみてはいかがでしょうか?
さて、ここでひとつ、
風呂敷を使う時に必須の結び方、基本中の基本である
結び目「真結び」の作り方をご紹介いたします。
「これから風呂敷を使いたいけど、結び方がまったくわからない!」
という方は、ぜひ実践しながらご覧下さい。
①2つの端を両手で持ちます。
②臙脂を手前、緑を奥にして重ねます。
③緑を臙脂に沿って一回転巻き付かせます。
④臙脂の端を下に向けます。
⑤緑の端を臙脂の端の上に重ねます。
このとき、右手の人差し指で臙脂と緑でできた輪を広げておきます。
⑥ ⑤で作った臙脂と緑の輪に、緑を下からくぐらせて通し、引っぱります。
⑦形を整えて完成です。
一緒にやっていただいた方は、上手く結べましたか?
また、表裏がリバーシブルの風呂敷の場合、
裏面を結び目の表に来るように調整すると、アクセントになりますので試してみてくださいね。
さらに、
こちらの「真結び」、形が美しいという点意外にも風呂敷包みに欠かせない要素として、
「結び目をつままなくても、コツを掴むと簡単にほどける」という特徴があります。
実際にやってみましょう。
①さきほど作った結び目の、臙脂の端を右手で、根元を左手で持ちます。
②両手を外側に引っぱり、ピンと張った状態にします。
③右手で結び目を掴みます。
④掴んだ結び目を臙脂の端側に引っ張ると抜けます。
こちらも出来ましたか?
これで、風呂敷から贈り物を取り出して相手に渡すときに、
結び目がほどけなくてあたふたしてしまう、ということがなくなりますね。
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今回は夏の贈り物にちなんで、
「風呂敷」についてお伝えいたしました。
進物から、ちょっとしたプレゼントまで、
貰う側も、贈る側も嬉しい「風呂敷」。
和のこころを感じながら、
日常を便利に、小粋に楽しんでみてはいかがでしょうか?
▼ 今回ご紹介した商品 ▼
「きづつみ」
2,700円(税込)〜8,100円(税込)
オンラインショップはこちら
「糀の甘酒 吟醸麹」
972円(税込)
2016年4月11日〜8月31日まで
※こちらの商品はnicoe店限定販売です。
「風呂敷「ねこととり」」(ピンク・グリーン)
810円(税込)
2016年6月15日〜8月31日まで
※こちらの商品は店舗限定販売です。
最近は郵送でお中元を贈るのが一般的ですが、
大切な方には訪問して直接お渡ししたいもの。
贈る方に喜んでいただけるよう、心をこめて選んだ贈り物を、
紙袋で持って行くのは何だかそっけないように感じるという方には、
「風呂敷」で包んで持って行くのがおすすめです。